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User: 健康保険制度のある先進国で、保険証や本人確認はどういうシステムになってる？

健康保険制度のある先進国で、保険証や本人確認はどういうシステムになってる？ 返事は日本語で。

Assistant: ざっくり言うと、「健康保険証＋本人確認」の仕組みは、先進国でだいたい次の４パターンに分かれます。

ざっくり言うと、「健康保険証＋本人確認」の仕組みは、先進国でだいたい次の４パターンに分かれます。

1. 公的医療保険の ICカード＝保険証＋患者ID 型
2. 国民ID番号＋別の身分証 で管理する型
3. 州・県ごとの 公的医療保険カード 型
4. 民間保険ごとの保険証（アメリカ型）

代表的な国ごとにまとめてみます。

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• 法定健康保険に入っている人には「電子健康カード（eGK）」が交付される。保険者名、被保険者番号、氏名などに加えてICチップが載っている。Gesundheitsportal
• 15歳以上には写真付きカードが発行され、不正利用や貸し借り防止の役割もある。Gesundheitsportal
• チップには加入情報に加え、救急用情報や薬剤情報、電子処方箋連携なども載せられる。Gesundheitsportal
• 裏面はそのまま EU共通のヨーロピアンヘルスインシュランスカード（EHIC） を兼ねていて、EU域内旅行中の受診にも使える。Gesundheitsportal

→ 受診時は、基本的にこのカードを受付でかざせば「保険証＋本人確認」がほぼ完結、必要に応じて別の身分証を求められる程度。

- 「Carte Vitale」というマイクロチップ付きカードが発行され、フランスの公的医療保険（Assurance maladie）への加入と受給資格を示す。My French House

• カードには個人の社会保障番号（15桁）などが入っていて、診療所・薬局などで読み取ることで、保険者へのオンライン請求が自動で行われる。French-Property.com
• 16歳以上に交付されるのが原則で、通常はこれを提示すれば保険資格確認が完了する。クレイス

- 台湾は国民皆保険で、全員が NHI ICカード（健保卡） を持つ。表面には氏名、ID番号、生年月日、顔写真が印字され、ICチップには個人情報・保険情報・簡単な診療履歴などが保存される。衛生福利部

• 有効期間はおおむね 5〜7 年で、紛失や氏名変更時は郵便局などで再発行できる。衛生福利部
• カードをリーダーに通すことで、医療機関・薬局側は保険資格と基本情報を即時に確認。オンラインサービスの登録・ログインにも使える。Ray 5.0

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• イギリスは「保険証カード」らしいものは基本的になく、国民・居住者は NHS number（10桁） という患者IDが付与される。nhs.uk
• 受付では、氏名・生年月日・住所などで本人を検索し、内部的にはNHS numberで診療情報を紐づける。
• NHS番号自体は、紙の通知や処方箋、オンラインアカウント（NHSアプリ）などに書いてあり、患者が暗記している必要はない。nhs.uk
• 本人確認が厳密に必要な場面では、パスポートや運転免許証など、一般の公的身分証を別途求める運用。

- 韓国も国民皆保険だが、最近は 「保険証」より「身分証の提示」 が重視されている。

• 2024年5月から、国民健康保険の給付を受ける際に、住民登録証・運転免許証・外国人登録証などのIDカードの提示が義務化された。Official Website of the
• 以前は番号だけ聞いて処理するケースもありなりすましが問題になったため、IDの現物チェックを徹底する方向に制度改正された、という位置づけ。

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• カナダは連邦レベルで「公的医療保険制度」はあるが、運営は各州・準州が行い、それぞれ 健康保険カード（health insurance card） を発行している。Canada
• 例：オンタリオ州の OHIP カードなど。写真付きカードも多く、カード番号で保険資格を確認する仕組み。ontario.ca
• カード自体が、医療機関や一部の行政手続で本人確認書類としても使われることがある（ただし、運転免許証等の別IDも併用されがち）。

- オーストラリアは Medicare という全国一元の公的医療保険（ユニバーサルヘルスインシュランス）を持ち、加入者には Medicare card が発行される。ヘルスダイレクト

• カードやその番号を提示することで、診療や薬剤費の公的負担（リベート）を受けられる。ウィキペディア
• 最近は、myGov アプリに デジタル Medicare カード を入れて使えるようになり、カード提示・請求・接種履歴確認などをスマホで完結できる方向に移行中。ニュース.com.au

- アメリカはご存じの通り、民間保険＋公的保険（Medicare・Medicaid 等）が並立。

• 加入している健康保険（雇用主提供・個人加入・政府プログラムなど）ごとに、保険会社発行の保険カード が渡され、そこに保険者ID・グループ番号・窓口電話などが書いてある。bellmedex.com
• 医療機関側は、そのカード情報を使ってオンラインで資格確認や請求を行う。
• 本人確認は、別途パスポートや運転免許証など 一般のフォトID を同時に提示させる運用が多い（カード自体に写真がない会社も多いため）。

- 日本はもともと、健康保険組合・協会けんぽ・国保などがそれぞれ紙／プラ製の 健康保険証 を発行し、これが受診時の保険資格確認に使われていました。

• しかし 2024年12月2日以降、新規の健康保険証は原則発行せず、マイナンバーカードを健康保険証として使う方式 に移行。YG健康法
• 既存の紙の健康保険証は、最大で 2025年12月1日まで経過措置として有効（保険資格を失った場合などはその時点で無効）。日本ITS協会
• マイナ保険証はICチップを現場の端末で読み取り、オンラインで保険資格を確認する仕組みで、将来的には診療情報・薬剤情報との連携が拡大していく方向です。デジタル庁

ざっくりまとめると：

• 「カード＋（必要に応じて）別ID」 という国が大半 - ドイツ・フランス・台湾・カナダ・オーストラリア・日本（マイナ保険証）などは「保険証カード」を見せるのが基本。 - そのカードに写真がある国（ドイツ・台湾など）は、それ自体がかなり強力な本人確認手段になる。
• イギリスや韓国などは「国民ID（番号）＋一般身分証」寄り - 専用の「保険証カード」は弱く、NHS number や住民登録番号が中核で、本人確認は別のIDカードで行う。
• スマホ普及に伴い、カード情報をスマホのアプリ・ウォレットに入れて使うデジタル化 がどこも進行中 - ドイツのeGKのNFC・電子処方箋、台湾の健保オンラインサービス、オーストラリアのmyGov＋デジタルMedicare、日本のマイナ保険証＋オンライン資格確認など。デジタル庁

なので、「先進国の標準的な姿」を一言で言うと、

という二段構えで本人確認していて、そこから徐々に 「カード＋スマホアプリ」 に移行しつつある、という感じです。

User: 日本では、顔認証や暗証番号の入力がマイナ保険証の普及の障壁になっている。他の国ではこの問題はどう？

日本では、顔認証や暗証番号の入力がマイナ保険証の普及の障壁になっている。他の国ではこの問題はどう？ 返事は日本語で。

Assistant: 結論だけ先に言うと、

結論だけ先に言うと、

• 日本みたいに「受診のたびに本人が端末の前で顔認証 or 暗証番号入力する」のを全国レベルで義務に近い形で押し出している国は、かなり少数派
• 多くの国では - 通常の受診：カードを出すだけ／受付が番号入力するだけ - 顔認証やPIN：オンラインで診療情報を見るとき・特別な手続きのときだけ という二段構えにしていて、「高齢者がPINや顔認証でつまずく問題」がここまで表面化していません。

日本の状況との対比も含めて、いくつか国別に整理します。

1. 日本：受診時に「顔 or PIN」が前提になっている特殊ケース

日本のマイナ保険証の場合：

• 医療機関や薬局の端末にマイナンバーカードを差し込み、 「顔認証」か「4桁の暗証番号」 のどちらかで本人確認を行う手順になっています。デジタル庁
• 高齢者を中心に、顔認証のやり方やPIN入力に不慣れな人が多く、 「カードは持っているけど使わない／使えない」という例が少なくないと報じられています。The Japan Times

つまり、日本は

● 基本的な保険資格確認の場面自体に、強い電子本人認証（顔 or PIN）を組み込んでしまった

のが特徴で、この設計がそのまま「普及のハードル」になっている、という構図です。

2. ドイツ：eGK の PIN は「高度な機能専用」

ドイツの電子健康保険証（eGK）はIC付きカードですが：

• ふつうの受診や薬局での利用では、 カードを出してリーダーに通すだけでOK。 日常的な受診には PINは不要 と明記されています。BKK W&F
• 逆に、電子カルテ（ePA）や詳細な薬剤情報など、 「機密性の高いデータ」へアクセスする場合だけ PIN が必要。Gesundheitsportal

→ 患者が「画面の前に立って毎回PINを押す」ような場面はかなり限定的で、 「日常の受診フローにPINを持ち込まない」ことで高齢者のハードルを下げています。

3. フランス：物理カードは「カード出すだけ」、デジタル版だけバイオメトリック

フランスの Carte Vitale もICカードですが：

• 従来の 物理カードはPINなし。病院や薬局でカードを渡すと、 受付がリーダーに通すだけで保険資格確認と請求処理が完了します。FrenchEntrée
• 2025年から、スマホアプリ版の 「デジタル Carte Vitale」 が全国展開され、 アプリ内のデジタルカードは スマホの生体認証（顔・指紋）などで保護 されています。サービス公共

ここでのポイントは、

生体認証が必要なのは「スマホ上のデジタルカード」にアクセスするときだけ

従来のプラスチックのカードは使い続けられる

という点で、「顔認証やPINがイヤなら物理カードを出せばいい」逃げ道があることです。 議論になっているのは、

• カード（物理／デジタル）の提示を薬局で厳格に義務化したことで、 カードを持っていない弱者が取り残されるのでは、という問題で、 認証操作の煩雑さ そのものは日本ほどの争点になっていません。Le Monde.fr

4. 台湾：NHIカードにPINはあるが、日常利用では「任意」

台湾の全民健康保険ICカード（健保卡）は：

• 受診時にはこのカードを出すだけでよく、 別の身分証やPINを毎回求められる運用ではありません。衛生福利部
• カードには PIN機能（パスワード） があり、 PINを設定すると、基本情報以外の医療データを読むにはPINが必要になりますが、 これは 利用者が任意に設定する「プライバシー強化オプション」 という位置づけです。衛生福利部
• オンラインサービスを使うには、事前に窓口でカードを「オンライン利用登録」し、パスワードを決めるなど、 多少ややこしいステップがありますが、これは 主にネット経由のサービス用。Forumosa

→ つまり台湾も「高度なデータアクセス＝PIN」「ふつうの受診＝カードだけ」を明確に分けていて、 PINやパスワードが「保険証利用の前提条件」にはなっていません。

5. エストニアなど：PINありeID社会だが、医療だけの特殊問題ではない

エストニアは有名なeID社会で：

• 国民IDカードに2つのPIN（認証用PIN1、署名用PIN2）があり、 あらゆる行政オンラインサービスでこのPINを使います。ウィキペディア
• 医療もそのeIDインフラの一部に乗っているので、 元々「PIN入力に慣れている社会」 という前提で成り立っています。

とはいえ、

• 医療機関の窓口レベルでは、カードの提示＋受付側システムでの処理が中心で、 患者が端末前で毎回「本人認証儀式」をこなす、という設計ではありません。Public Health

問題があるとすれば「そもそもデジタル弱者がeID全般を使いこなせない」という、 医療に限らない デジタル・デバイドの話 に近いです。

6. オーストラリア等：デジタルは生体認証でも、「物理カード」が残る

オーストラリアの場合：

• 従来からある プラスチックの Medicare card はそのまま有効で、 受診時はこのカードを出せばOK。ニュース.com.au
• 2025年にかけて、myGovアプリにデジタルMedicareカードが統合され、 アプリへのログインやデジタルID利用では PINや指紋・顔認証 を使う流れになっています。Services Australia

これもフランスと同様、

「オンライン手続き・スマホ利用は強い認証」

「嫌なら従来の物理カードで受診できる」

という二本立てなので、「顔認証がイヤで医者にかかれない」という状況にはなりにくいです。

7. 共通する傾向と、日本との違い

ざっくり世界の流れをまとめると：

1. 日常の受診フローには、なるべく認証操作を持ち込まない - ドイツ：eGK提示だけ、PINは高度な機能用。BKK W&F - 台湾：健保卡提示だけ、PINは詳細データ保護用。衛生福利部 - フランス・オーストラリア：物理カード利用時はPIN不要。
2. 強い認証（PIN・生体認証）は、主に「オンラインサービス用」 - 電子カルテ閲覧、オンライン請求、デジタルIDアプリ、遠隔医療などでは スマホの指紋・顔認証やPINが普通に使われますが、 それは「便利な追加サービスを使いたい人向け」で、義務ではないことが多い。Secure Technology Alliance
3. デジタル弱者への配慮として、アナログな代替を残す - 物理カード、紙の証明書、口頭確認など、「認証が苦手でも最低限の受診はできる」経路を維持している国が多いです。NBR

これに対して日本は、

マイナンバーカードという「汎用IDカード」を

「保険証」としても使おうとしている

その際に 本人認証（顔orPIN）を、日常の保険資格確認に直結させてしまった

しかも従来の保険証は原則廃止の方向で逃げ道が少ない

Japan Reference

+2

デジタル庁

+2

という設計なので、 他国では「オンライン好きな人だけが使う強認証」が、 日本では「病院に行くための通行儀礼」になってしまい、 高齢者・デジタル弱者にとって特に大きな障壁 として現れている、という違いがあります。

まとめ

• 顔認証やPINそのものは、世界的にも医療のデジタル化でどんどん使われています。
• ただし 「日常の受診にまで必須にするかどうか」 という点では、 多くの国は慎重で、「カード提示だけで済むルート」をちゃんと残しています。
• 日本のように、 - 受診時に本人が端末操作（顔 or PIN）を求められ - かつ従来の保険証を段階的に廃止 という組み合わせで全国展開している例はあまりなく、 その分だけ「マイナ保険証だけ極端に普及しない／嫌がられる」という現象が目立っている、 という位置づけだと考えてよさそうです。