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==== 1. 典型例：公共料金・エネルギーなどへの巨額補助金 ====

2001～02年の大危機のあと、ネストル・キルチネル政権（2003–2007）とクリスティナ・キルチネル政権（2007–2015）は、電気・ガス・水道・公共交通などの料金を長期間ほぼ据え置きにし、その代わりに政府が企業側へ巨額の補助金を出す形で穴埋めしてきました。clacs.berkeley.edu<ref>{{cite web|title=clacs.berkeley.edu|url=https://clacs.berkeley.edu/argentina-consumer-subsidy-trap|publisher=clacs.berkeley.edu|access-date=2025-11-17}}</ref>
* 表向きの狙いは「料金を凍結／抑制して庶民の負担を減らす＝物価高から守る」こと。
* その結果、家計の光熱費や交通費は長く実勢よりかなり安く抑えられ、「間接的にお金を配っている」のとほぼ同じ効果を持っていました。
* しかし補助金の財政負担は年々膨張し、「消費者補助金トラップ（consumer subsidy trap）」とまで呼ばれる状況を生みました。clacs.berkeley.edu<ref>{{cite web|title=clacs.berkeley.edu|url=https://clacs.berkeley.edu/publications/argentina-consumer-subsidy-trap|publisher=clacs.berkeley.edu|access-date=2025-11-17}}</ref>

さらに、2014年以降は「Precios Cuidados（プレシオス・クイダドス、『大事な価格』）」という、生活必需品に政府が価格上限を設定する価格統制プログラムも導入され、「インフレ抑制」の名目で継続・拡張されました。ウィキペディア<ref>{{cite web|title=ウィキペディア|url=https://en.wikipedia.org/wiki/Careful_Pricing|publisher=en.wikipedia.org|access-date=2025-11-17}}</ref>